【読書記録】上達の法則—効率のよい努力を科学する

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最近の私は運がよく、読んだ本には当たりが多く、どれも素敵な本ばかり。
その中でも、ガツンと来たのがこの本「上達の法則」でした。

出会ったきっかけは忘れたものの、インパクトは大きかった

この本を読んだきっかけは、「どこかできいたことがあったから」です。
なんとも曖昧ですが、他の本で読んだか、だれかのブログ記事で読んだか・・・恥ずかしいことに失念してしまいましたが、タイトルを見てすぐAmazonの「欲しいものリスト」に突っ込んだ記憶があります。
そのときには積ん読がいくつかあったので、落ち着いてから購入→読了となりました。
「もっと早く読んでおけばよかった!」

さて、この本は「はじめに」からもう惹きこまれました。その内容は続きを読むから・・・

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「上達には法則がある。」

本のタイトルにもあるように、上達には法則があるとのこと。
もちろん、その法則を期待して本を手に取りページをめくったわけです。早く教えて!
(Kindleでしたけどね!)

ハイライトだらけになった「はじめに」

本は、ちゃんと冒頭から読む派です。
「はじめに」の部分には、著者がその本を書いた理由や、「○○とは、□□です。」といった、本を読む上で知っておいたほうがいいことが沢山書いてあるからです。
私は、この本で一番大事なのは「はじめに」なんじゃないかと思っています。
もちろん、本の中を通して大事なこと、役にたつことが沢山書いてあるのですが、それがこの「はじめに」に既に凝縮されている気がするのです。

ちょっと長めですが、はじめに、の冒頭を引用したいと思います。

上達には法則がある。それが本書の骨子である。上達するためにはその法則を会得していることが大切である。上達はたんに鍛錬の量や時間だけで決まるものではない。上達の法則に合った鍛錬が上達を生むのである。たとえば、何年もやっているのに英会話がマスターできない人がいるかと思えば、わずか二年くらいで、本格的な英会話ができるようになる人がいる。この違いは、英会話の練習法が上達の法則にかなっていたかどうかなのである。昔から、一芸に秀でた人は他の芸にも秀でると言われる。それがすべての場合にあてはまるかどうかはわからないが、あてはまるとすれば、一芸を通じて暗黙裡に会得した上達の法則が、他の技能の習得にもあてはまるからだろう。これまで暗黙裡に了解されていた上達の法則を、きちんと分析整理して、ひとつの方法論として解説するのが、本書の狙いである。認知心理学、学習心理学、記憶心理学などをベースに上達法を科学的に分析した。

人の多くが、何かがうまくなりたいと思っているはずです。
仕事や趣味など、いろいろ。
何か物事を身につけようというとき、ベースになって、効率を上げてくれるのがこの本です。

上達を経験することによるメリット

上達の一般則を体得できる

何かが上達する、ということには、ただその物事に秀でるという以上の意味があります。
例えば将棋が上手になったら、それは将棋が上手い人というだけでは終わらないのです。

上達を積み重ねていくと、ある日突然、ものの見え方が変わるという経験をする。いままで見慣れていたものが突然新しい意味の輝きを持ち、いままで見過ごしていたものがよく見えるようになる。上達することによって、認知構造が変容するからである。

そういう人は、じつは、上達の法則を身体で知っている人なのである。多くの場合、子どもの頃に、なにかをかなり深く身につける経験を通じて、上達の一般則を体得しているのである。その体得が、新しいものを身につけるときに自然に活かされるのである。

ものすごーーく大雑把に説明しますと「何か1つ上達すると、その上達経験を生かして、他の物事の上達も効率が上がるよ」ということです。
そのため、筆者は「若いうちに何かを上達する経験を積むべし。ただし!何歳になっても遅いということはないよ」とも主張しています。

いま、本書を手にした読者が若い人なら、本書を参考に、どんなことでもいいから、上級者になる経験を若い時代に是非していただきたいと思う。

自信と安定感を得られる

上達を経験した人は、上述の「上達の一般則」を体得しているため、新しい物事を身につけるのが速く、また自信を持っています。
「○○について、自分はある程度修めることが出来たのだ。(だから新たな物事も同程度に身につけることができるはずだ)」という自信と安定感。
一流のプロスポーツ選手などを見ていると、なるほど確かにと感じることができますね。

どんな技能でも、上級者の域に達しようとすれば、それだけの努力を一定期間続けなければならない。仕事の波が高くなったり低くなったり、職場で自分の立場が変わったり、職場の環境が変化したりするなかで、つねに、一定の時間とエネルギーをそれに注がなくてはならない。ときには、見たいテレビや映画を我慢して時間を作ることも必要となれば、職場の集まりの二次会をさりげなく欠席するなど、小さな不義理を重ねることも必要となる。そのような生活を続けることは、自制心と自我の強さを磨く。そのようにして磨かれた自我をそなえた人格には、自信と安定感がある。

上達には敵が存在する

これは、ライバルがいる、という意味ではありません。
上達を妨げる思考が存在する。故に気をつけなければならない、ということです。
上達の敵とは、「一定のレベルに安住してしまう」こと。

いちばん要注意なのは、これまでに築いた地位に心理的に安住し、上達の対象をなにも持たない状態でいることだ。自分ができるようになったことだけをやり、自身の新しい能力を耕そうとしない生活を続けると、次第に、緊張を失い、自分自身を大切にすることをも忘れてしまうことになる。そうなると、いつの間にか、専門の仕事に関する判断も、新しいことを避ける保守的な傾向に染まっていく可能性がある。このような人は、主観的には、自分の時間が輝きを失ってしまう。「もう歳だから、新しいことを始めるのは無理だ」などという誤った諦観に染まりやすいのも、そのような人である。

この点は、以前ご紹介した『勝ち続ける意志力』に書かれていることにも通じます。

【読書記録】勝ち続ける意志力 | そふぁねブログ

『勝ち続ける意志力』を書いたプロゲーマーのウメハラ氏も、ゲームの大会で優勝した直後「こそ」ゲームセンターに行ってゲームをし、対戦をするそうです。
ありがちなのは、優勝したところでしばらくやめてしまうこと。
戦わなければ、負けない。つまり、いつまでも優勝者のままでいられます。
しかし、これでは「上達」はできない。

上達の法則、その一部をご紹介

上達するメリット、そして上達を阻む要素について説明しました。
やっと、上達の法則として本書で書かれていることの一部をご紹介したいと思います。
もちろん全部は書けないので、買って読んでください。

まずはじめてみる

まず始めてみる  あたりまえのことだが、上達したいと思ったら、まず始めることである。

やり方がわからないという人は、じつは、やり方がわからないのではなく、それで上達したいという気持ちがまだ高まっていない人である。

これも、前述の『勝ち続ける意志力』で書かれているウメハラ氏の主張に通じます。
砕けた言い方をすると、
うまくなりたいなら、とりあえずやれと。やり方がわからないってことは、そんなに求めてないってことだ。
私もブログを上達させたいので、とりあえず書きます。

楽しめ!

ワクワクする瞬間  全体として、この段階では、とにかく上達しようとしている対象に慣れ親しむことが大切である。英語の上達を目指すなら、ある程度、英語という刺激に浸ってみる。わかるかどうかということは二の次に、浸ってみる。そうして、その単純に浸っている時期に、その刺激が自分に「訴えかけてくる」ものがあるかどうか、その刺激に心が感動するかどうか、自分自身を観察するのである。

初歩段階では、無理矢理にでも、好きなものを作るのがよいと考えている。それにはいくつか理由があるが、そのひとつに、好きなものを決めるプロセスそのものが上達を生むということがあるからである。

とにかく、対象を楽しむこと。もしくは、対象の中で楽しいポイントを探すのです。
そして、楽しいポイントが見つからないときは無理やり作ってしまえ、とまで書いてあります。
この本では将棋や囲碁の例がたびたび出てきます。
将棋で例えると、「俺は穴熊が好きだ!」とか「ゴキゲン中飛車が好きだ!」といった、「興味の軸」を決めて、まず徹底してそれをやってみるのです。
その軸は、上の引用に書いてある「訴えかけてくる」ものがあるかどうかで選ぶのです。わかるとかわからないとかよりも「なんか、好き!」くらいのほうがいいかもしれません。
ちなみにぜんぜん違う本ですが、『人生がときめく片付けの魔法』では、こういった感情を「ときめくかときめかないか」で表現されています。
さわってときめくかどうかで、モノを捨てるかどうかを決めるそうです。
上達したい対象、将棋の戦法の場合には「実際に指してみて」、ときめくかどうかを見てみるのがいいんでしょうね。

あたりまえのことばかりじゃないか!と言わないで

あくまでも、「そふぁねがブログに書いたのが、あたりまえのことばかり」なだけです。

もったいぶってます。読んで欲しいから。


(既に十分長いですが)ちゃんと押さえようと思うとブログ記事では足りないくらいの要素が凝縮されています。
私が記事にまとめたものを読むよりも、本書を読んだほうが有益です。(!)

「上達の法則」を読んで、上達経験をつもう

私はまだ若いつもりなので、今後の人生に大いに役に立ってくれそうな「上達経験」を欲しています。
その上では、この本はほんとうに役に立ってくれると思います。
さいごに、上達の法則って結局なによ?って方のために、わかりやすくてお気に入りの部分を引用します。

精神力、集中力の差もあるかも知れないが、練習方法、取り組み方が理にかなっているかどうかの差が大きい。その「理」を本書では「上達の法則」と言っているのである。

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